EXAMPLE DETAIL
製品導入例詳細
加圧式ニーダーにおける混練の条件
2016/5/27 ニーダー
今回のお話は、加圧式ニーダーにおける混練の条件についてお話しします。加圧式ニーダーというのは、固い材料を押さえ込むエアーシリンダーによる加圧機構のついた密閉式混練機のことを指します。混練時にはさまざまな条件が影響するため、諸条件の調整が必要です。
加圧式ニーダーの混練に影響を与える条件とは
加圧式ニーダーは、四角い容器の中で羽根が回っているという構造自体はとても単純な機械です。しかし、その混練の成否に関してはさまざまな条件が影響しています。加圧ニーダーの混練に影響を与える要因としては、以下が挙げられます。
- 中で回るブレードの回転数
- 上から押さえる圧力
- 混練する時間
- 温度(混練をスタートする時の温度や冷やしながら混練する場合の温度変化)
- 羽根の形状とクリアランス
- 材料を入れる投入量(量の増減、投入の順番の違いでも仕上がりが変わる)
経験値の積み重ねが、加圧式ニーダーの良い混練結果へ直結
これら一連の条件調整は、事前にシミュレーションなどをすれば成功するというものではありません。加圧式ニーダーの混練においては、一つずつさまざまな条件を設定して地道に経験値を積み重ねることで、最適な条件を探し出していくのです。混練は非常に奥が深く、繊細さを必要とする仕事です。ここでは、いくつかの事例をご紹介します。
温度条件について
何度か続けて作業を続ける場合、装置の温度は、作業を開始した時と材料を入れる時では変化してきます。以前は、最初から同じ条件で作業をしているのに仕上がりにバラつきがあったため、調べてみると装置の温度が上がっていたという経験がありました。
そこで、そういうトラブルを解消するために、事前に管理項目として「最初のスタート温度」を決めて作業を行うようにしたところ、改善しました。そのように管理をきちんとしていくと、思いもよらない要因が作業に影響していることがわかります。
ブレードへの材料固着が発生した事例について
たとえば、投入する材料が粘着質であったり、凝集しやすい場合には、羽根に巻き付き固着し混練されなくなることがあります。槽内でブレードは回っていても、丸い“丸棒”が二つゴロゴロと回っているだけの状態になり材料挙動がされない状態です。その場合は、中のブレードを改善したり、圧力調整や蓋の上げ下げで解消させるようにしています。
材料の粒径による差の事例について
投入する材料には粉末を混ぜることも多いのですが、その粉末の粒径によっても仕上がりが変わってきます。ある時、お客様から混練結果がいつもと違うという連絡を受けました。そこでよく調べてみると、投入した材料の粒径が以前と少し変わっていたことが原因でした。お客様の方ではまったく同じ材料を使っているつもりでしたが、メーカー違いで若干の差があったようです。
これからもトーシンは、お客様により良い混練を提供するために、さまざまな条件や経験値を研究してまいります。